第18回 日本精神医学史学会 会告 大会長挨拶 

第18回 日本精神医学史学会
精神医学にとって歴史とは何か?
開催にあたって


 清秋の候、会員の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 このたびの大会で、「精神医学にとって歴史とは何か?」と問うにあたって、二つのねらいがあります。ひとつは、あえて大上段にふりかぶり、われわれの学問を、その理念的な基礎にまで掘り下げてみること、それによってわれわれの営みを再活性化することです。シンポジウムの題名にはこの問いをそのまま掲げました。この問いはわれわれ自身で問い、答えるべき質のものですから、会員の中から、歴史学、人類学、そして精神医学の分野をそれぞれ代表してくださる先生方にパネリストをお願いしました。また、精神医学史研究の意義と愉しみを先達から伝えていただくための特別対談を企画しました。精神医学において歴史を踏まえて研究実践することの大切さを再認識することができれば幸いです。
 もうひとつは、歴史がわれわれにとって見えるものになっているのは、さまざまな形で残された資料のおかげであることに鑑み、京都という歴史都市のなかで、歴史を具体的に捉えることです。このねらいから、特別講演には、京都の近世史に御造詣の深い松田清先生と、京都大学精神科の百年史を編纂された林拓二先生をお迎えしました。また、精神病者の家族看護で広く知られるようになった洛北岩倉の歴史を残すためにこのたび立ち上げられた、城守保養所資料館から、資料類の貸し出しをお願いし、学会場において展示をしていただくことが叶いました。展示に当たって、城守保養所資料館、医療法人三幸会北山病院・第二北山病院、医療法人稲門会いわくら病院からご協力をいただいています。京都という都市を巡って実践されていた共生の歴史を実感していただければ幸いです。
 皆様方の積極的な御参加をお待ち申し上げます。

第18回日本精神医学史学会
大会長 新宮一成
運営委員 一同